m-apは、そこで過ごす時間から考えます。

m-apは、そこで過ごす 時間から考えます

この記事で分かること

たとえば二人で夕食をとる時間を増やしたいなら、面積に加えて、キッチンと食卓の距離や家具の置き方も選ぶ基準になります。

目次

  1. 条件を並べる前に、理由を聞く
  2. 分かれている話を、一つの計画として考える
  3. 判断するための基準をつくる
  4. 内見で気になったことを、同じ紙に書く
  5. 町田の自邸で、先に残す時間を考えた

1. 条件を並べる前に、理由を聞く

どんな暮らしをしたいか。そこで、どんな時間を過ごしたいか。m-apは、物件の広さや間取りを決める前に、その背景にある希望を伺います。まだ言葉になっていない好きなことや、今の場所で感じる不便さも手掛かりになります。

たとえば「広いリビングが欲しい」という希望も、家で何をして過ごしたいかによって、必要な広さや場所のつながりは変わります。条件をそのまま増やす前に、その理由から考えます。

2. 分かれている話を、一つの計画として考える

物件を選ぶこと、お金を配分すること、空間をつくることは、使う人にとってつながっています。どれか一つの条件だけで決めず、したい暮らしや事業の目的と照らして考えます。

m-apでは、建築・不動産・資金計画の視点から、この関係を整理します。助言だけ、調査だけ、設計までなど、どこまで関わるかは依頼ごとに確認します。

3. 判断するための基準をつくる

m-apが代わりに購入の結論を決めるわけではありません。何を優先し、何を確かめる必要があるかを一緒に整理し、ご自身で選ぶための材料をそろえます。住まいのコンセプトワークでは、その内容を「暮らしのルールブック」にまとめます。

4. 内見で気になったことを、同じ紙に書く

たとえば、窓からの光が気に入った住戸があるとします。内見の帰りに「明るかった」とだけ書くと、別の家と比べるときに、その家で何をしたかったかが抜けてしまいます。朝食のときに光が入ったのか、夕方に一人で座る場所が欲しかったのか。場面を一つ添えると、次に見たいことが決まります。

同じ紙に、物件価格と、変えたい場所も並べます。広さを優先して工事費が足りなくなるなら、買ってから手を入れる範囲を見直す必要があります。反対に、今ある間取りに希望する使い方が収まるなら、工事を増やさずに済むかもしれません。物件を見て、暮らしを考えて、また物件に戻る。その往復を一つの計画として扱います。

相談で話したことを整理するときは、希望、分かっている条件、これから調べることを混ぜないようにします。「家族と並んで料理がしたい」は希望。「販売図面ではキッチンが壁付け」は資料で見える条件。「配置を変えられるか」は確認が要ることです。同じ欄に書くと、希望が難しいという印象だけが残ったり、未確認なのに実現できる気がしたりします。

5. 町田の自邸で、先に残す時間を考えた

m-apの町田の自邸では、二人で料理や食事をする場所と、家の中を回れる動線を大切にしました。約4mのキッチンは、広い設備を入れるためだけのものではありません。料理と食事が同じ場所で続いていくことを考えた結果です。見積りを調整するときにも、何を残したかったかが、仕上げや工事の頼み方を見直す基準になりました。

同じ長さのキッチンが、別の家にも合うとは限りません。一人で落ち着いて料理したい人には、食卓との距離がある方が使いやすいこともあります。事例を見るときは、形を借りる前に、なぜその形になったのかを見てみてください。自分の家にも使える考え方と、その家だけの答えを分けて読めます。

事業の場所でも、考え方は同じです。「広い店舗」という条件から、誰がいつ来て、どんな時間を過ごすかへ話を戻すと、面積以外に見たいものが出てきます。入口から席までの距離、作業する人の動き、待つ場所。用途は違っても、条件と使う時間を行き来するところから始まります。

その考え方が形になった例は、町田の自邸の写真と図面でご覧いただけます。

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この記事を書いた人

宮城 洋之|meta architecture project(m-ap)。一級建築士・宅地建物取引士・FP2級。建築設計、まちづくり、既存建物の活用に取り組んでいます。

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